高校生、カナダに行く

17歳のボラがUWCで2年間学ぶまで

停電のおはなし

ボーディングスクールあるある、山奥がち。

UWCカナダ校ピアソンも例に漏れず、最寄りのバス停まで徒歩30分のど田舎にあります。そして交通の便が悪いだけでなく、よく停電する。

 

先週の日曜日、ビクトリアの中華街で日本の食品をたんまり買った僕は、キャンパスに帰ってきて明かりが点いていないいないことに気づきます。それでも慌てず、またかとため息。

ちょっとした風雨があるたびに停電するという、日本ではちょっと考えられない学校なのです。ほんと、送電線どんだけ脆いんですかね。

普通は数時間で復旧するものの、今回はあるハウスで謎の煙が発生し、引火する恐れがあるということで意図的に電気を止めたままにするとのこと。

 

こうなると大変です。現代人にネットのいらない娯楽なんてほとんどありません。シャワーも冷水なので誰も浴びない。明かりといえば月と暖炉くらいのもの。

僕は仕方なく友達と麻雀をしていました。中国など東アジアの人だけでなく、ヨーロッパやアメリカの人たちにもルールと漢数字を教えてプレーできるので麻雀はいいぞ。

それ以外の人たちはすることがなく講堂でかくれんぼに興じていましたが、結局危ないからといって先生たちにより中止。

 

みんな仕方なくジェネレーターのある食堂でたむろしていると、僕のハウスを含む二つの寮だけ復旧したとのこと。幸運なのですが、結局2日間デイルームが他のハウスからの避難民たちでいっぱいになるのでした。

 

いいニュースといえば、テストづくしの1週間、Block Weekが延期されたことぐらいでした。おかげでW杯と被らない。UWCほどW杯を楽しめる環境は他にないですから。

 

他にもキャンパス周辺にクマが出たりピューマが出たりと田舎ゆえの災難が尽きません。

 

今回書くことはこのくらいかな。次回は多分Block Week後。

 

それでは

 

 

 

American Mathematics Competitionのおはなし

また久々の投稿です。

僕のCASの一つであるSTEM(science, technology, engineering, math)。活動の大半が担当の先生との進路相談だったり二回に一回キャンセルされたりでかなりガッカリしていましたが、初めて活動らしい活動があったので書こうと思います。

 

先日、アメリカを中心に行われる数学の大会、American Mathematics Competition(以下AMC)に参加しました。国際数学オリンピックアメリカ代表の一次選考を兼ねた大会だそうです。なぜカナダで受験できるのか。そんなことは知りません。

AMCには大きく分けて6つの部門があります。学年によって14.5歳(どゆこと)以下対象のAMC8、17.5歳以下の10、19.5歳以下の12が実施され、それぞれに難易度の低いAと高いBの二つが用意されています。

 

僕たちが受験したのは最高難度の12B。といっても元々数学は苦手ではなかったしIBの勉強で日本の数学がいかに高度かを十分思い知っていた(ここら辺のことはいずれ書こうかと)ので事前対策もろくにせず臨みます。

 

テストは25問の5択問題からなり、正解で6点、誤答で0点、無回答で1.5点をもらえます。当てずっぽう対策ですな。

最初の方は四則演算や初等幾何で解ける単純な問題が並びますが、だんだん高次方程式や複雑な確率、求積問題が出てきて時間を喰われます。あと中央値やら二等分線やらの用語が意味不明なので困る。

 

結局面倒な問題を飛ばして16問ほど解いたところで制限時間終了。開始前の自信はどこへやら、後悔と落胆の念でいっぱいになります。

しかし数学好きな中国人の友達は15問、他の人も半分以下しか解けなかったということで少し安心(性格悪)。

 

調べてみると例年の一次選考通過ボーダーは85〜95点。つまり半分弱を解いて残りを空欄にしてれば通過できるってことらしいです。

どうなるのやら…

 

毎日のキャンパスライフのこととかも書いていかないとですね。

あとサッカー日本代表はドイツ戦勝利おめでとう。日本人の僕は周囲の人から祝われまくってました。

 

それでは

 

ハロウィンについて あるいは雪について

訳のわからん題名ですが要は近況報告です。

 

ハロウィン

北米の10月末はハロウィン一色です。1週間前にはハウスの生徒全員で共用スペースのデイルームをデコレーションしたりジャックオランタンを作ったりします。

僕はカボチャからなんとかドラえもんを彫ろうとしたものの、これがまあ難しい。

 

しかしこれでは終わりません、ハロウィンのメインはやはり仮装でしょう。

日本協会の派遣生徒はすなわち日本代表。そこでマンガ・アニメ文化の傑作(自論)たる『鋼の錬金術師』のアルフォンス・エルリックのヘルメットをを作ることにしました。

ネットでコスプレイヤー向けの型紙を入手し、Amazonで買ったEVAフォームとゴリラグルーで1週間切って貼ってを繰り返しなんとか完成しました。

 

ハロウィン当日は月曜日なので、授業が終わった後のディナーから行事から始まります。その後キャンパス中の大人を訪ねてキャンディーを集めます。

前が見えない。マスクの存在を知ってた人は口々に褒めてくれるけど、それ以外の人は正体がわからないので声をかけてくれない…

 

とにかく、定番の炭治郎コスプレとかダイバーのコスプレとか女装とか面白いアイデアが多くありました。ここには書けないくらい過激なものも含めて。

印象に残ってるのはIB Final Examのプラカードを身にまとった友人でしたね。怖い怖い。

 

日本だと幼い印象のある行事かもしれないけど目一杯楽しめてよかったです(作文)。

 

これはおまけみたいな話。最近キャンパスで初雪がありました。近海を暖流が流れていて日本より冬が暖かいと聞いていたので珍しいなーと思っていたら、何やら外に人だかりができています。

彼らは主に南米、アフリカ、太平洋地域出身の生徒たち。そう、人生初雪なのでした。

夜には雪に慣れっこのカナダや高緯度地域の生徒も一緒になって雪合戦に明け暮れることに。日本出身の僕ですが大阪は雪が少ないので嬉しい気持ちを共有できてよかった。東京出身の派遣生に話しても、冬なんだから雪ぐれえ降るだろうがよ(妄想)みたいな感じなので。

 

今んとこ書くことはこのくらいかな

 

それではまた

CAS weekのおはなし

というわけでCAS weekが終わりました。普段は週2回の課外活動CASを授業そっちのけで1週間行うこの行事。疲れます。

 

僕の所属しているカヤックとSTEMはCAS weekを行っていなかったので代わりに模擬国連の活動に飛び入り参加してきました。

といっても僕にはディベートとか模擬国連とかそういうUWCっぽい(偏見)活動の経験は全くありませんでした。ただ街中のホテルでのんびり過ごせるって聞いたので。幸い経験は必要なかったです。普段のCASでも競技形式の模擬国連はやってないらしいし。

 

月曜日

キャンパスからバスでビクトリアに移動。学校が田舎なので1時間かかる。あとは何もしません。ゲームとYouTubeの記憶しかない。

air bnbに宿泊。綺麗〜。

 

火曜日

この日は州議会を見学。ブリティッシュコロンビア州の州都は最大都市のバンクーバーではなくビクトリアなのです。不思議〜

日本より州ごとの独立性が強いのもあって建物はすんごい立派。

 

まずは与野党の討論を見学。医療の充実をめぐって大臣に辞任しろ、しないの大論争。

ちょっとビビりながらも今度は環境大臣ジェンダー平等大臣にインタビュー。というよりはみんなで意見を交換する感じでとてもリラックスできて楽しい。

あとは書庫なんかの設備を見学。

 

帰ってホラー映画をみんなで見ました。サイコスリラー系で怖い怖い。

さて、これでCAS weekは終わったようなもん、とこの時は思ってました。

 

水曜日

ここでなんと本物の模擬国連をやることが判明。いや何を当たり前のことを、と思われるでしょう。でもみんな本当にエンジョイ気分で何もやることないぜ〜とか言っていたのでまさかやるとは思っていなかったのです。

救いだったのはピアソン生の内輪のみでやるということ。普段のCASに参加している人は来年で大会で他校と対戦するらしく、今回のパフォーマンス次第でレギュラーメンバーが決まるそう。ドキドキですね(棒)

 

この日は討論の前に提出するPosition Paperを書く練習です。模擬国連では一人ひとりに国が割り当てられ、与えられた議題に関して下調べをした上でその国の立場をまとめた文書を作成しなくてはなりません。

みたいなことを言って今日の活動は終了。はや。

議題は紛争地域での医療の提供。今晩までに仕上げて来いとのこと。やらなきゃなーと思いつつ先輩の誘いで映画『トロイ』を鑑賞。これがすごく面白くて気づいたら深夜。女子の誰もPaperを終わらせてないと聞きここで寝る覚悟を決めます。まったく…

 

木曜日

さあ本番です。一応下調べはしたけど文書は終わってない!

結論から言うと致命傷ではなかった。討論そのものとはあまり関係がないらしい(いや、ガチの模擬国連ではどうか知らないけど)。ただ最初に各国2分間ずつスピーチをするのでその時には大きな助けになる。僕は半分アドリブで済ませたなんて言えない。

あとは一部の国が提案したさらに詳細な議題について討論したのち、仲間ごとに議定書のようなものを作って署名して終了です。アメリカとか大国が割り当てられるとこれが責任重大。

 

さて、今度こそ本当にCAS weekが終わりました。担当の先生が韓国出身だったのでアジアの料理を大量に取り寄せて豪華なディナー。そのあとみんなでホラー映画を見に映画館へ。ハロウィン限定の映画なんてどうせ…と思っていましたがまあやはり駄作…

 

金曜日

図書館の自習室で時間を潰したのちキャンパスへの帰路に着きます。帰って来たはいいもののほとんどの生徒は戻っておらず食堂も営業していません。そこでみんなでピザを注文して平和にCAS weekは終わったのでした。

 

とまあ全体的に見て楽しく充実した5日間でした。一つのベッドに3人で寝るのは窮屈だったけど。

行事のこともできるだけすぐに書きたいものです。

 

それではまた

UWCカナダ校 連絡手段のおはなし

皆さん、LINEやTwitter、楽しんでますでしょうか。カナダではどちらも使いません。一応利用はできて、日本人の間では使ってるけど。

そこで今回はピアソンにおける連絡手段のお話です。

 

Whatsapp

日本企業によるLINEと違い、全世界で使えるチャットアプリ。主に生徒がキャンパスに集まる前、全世界に散らばってる時に重宝します。渡航の数ヶ月前には学年全体のグループチャットに招待されました。

名前が電話番号で表示されたり、画像をいちいち保存しないと見られなかったりと癖の強い印象。

 

Messenger

Facebook改めMetaによるチャットアプリ。カナダでは最も人気らしく、キャンパスに集まってからはほとんどの会話がMessengerで行われます。

Instagramなどの他のMetaのサービスとアカウントが同期できます(って書いてるけどITのことはよく分からない)。

基本はLINEと似たような機能。不満な点としては、友達リクエストに気付きにくい。グループチャットの招待を1ヶ月スルーしてたなんてことはザラです(僕だけかな)。

 

あと、スタンプが存在しない。私見だけど、言いにくいことを可愛いキャラに言わせるのって日本人の性格に合ってるのかもしれない。

 

Instagram

これはみんなやってますね…。UWC日本協会のオリエンテーションがあったときに僕だけTwitterしかやってなくて原始人のような感じがしました。

こっちでTwitterやってる人見たことない。

 

このほかにも、中国のWeChatとか、各国のチャットアプリをみんな持ち寄ってる感じ。

さて、CAS weekに突入したので、そのこともいずれ書こうかと。

 

それでは

UWCカナダ校生の1日のおはなし

また間が空いた…

今日はピアソン生の端くれたる僕の1日の流れを紹介しましょう。

 

7:00 起床。実はこれアラームの30分後なんだけど…

7:30 ジム。筋トレ始めました。

8:00 朝食。ここではシリアルやトーストのようなシンプルなものしか出ません。

8:30 授業。まず55分×2コマ。曜日によっては授業がないブロックもあります。

10:30 クッキーブレイク。みんな食堂でクッキーに群がります。

10:45 授業。さらに2コマ。休憩時間5分は短い。

12:40 ランチ。これまたサンドイッチなど手を抜いていることも。

   結構多いのが友人にメニューを訊いて気に入らなかったら自分で料理する人。

13:35 授業。CASのある日は6限目はなしです。

15:45 各自自由に過ごす。趣味とか勉強とか勉強とか。人を集めてサッカーをしたり。

17:30 ディナー。おかわりに行く猛者もいるが成功率は5割ほど。

18:30 自由時間。生徒主体のイベントもあったりする。

22:30 消灯時間。騒ぐと注意される。

23:00 就寝。この時間に自習から帰ってくる2年生たち。どんだけ大変なの…

 

とりあえずこんな感じ。ちなみに授業がない土日は11:00にブランチが提供されます。でもみんな寝てる。

時間割なんかの話はまた後日しようと思います。

 

それでは

European Regional Dayのおはなし

先週土曜日にEuropean Rigional Dayというイベントがピアソンでありました。

Regional Dayというのは世界のある地域の文化を紹介する大規模な行事で、2年間でAPAC(アジア太平洋)やLatino(南米)など全部で5回行われます。

 

入学から1ヶ月ちょいで迎えた初回はヨーロッパでした。

 

ワークショップ

各国の歴史について生徒自身が講義したり、伝統的な遊びや工芸品の作り方を教えたりします(土曜日の午前なのでみんな寝てるけど)。

バイキングの斧投げを教わったのは面白かったですね。ハサミの刃も他人に向けない日本人にとってはかなり新鮮というか危ない。

EU離脱について語るイギリスの子もいました。

 

ブランチ

この日は食堂の様子がいつもと何か違う。丸いテーブルがホグワーツのように一列に並べられ、ガラス窓一面にイラストがひしめいています。食堂のおばちゃんも好きなだけ盛れと優しい。

 

Food Festival

生徒が自分の国の料理を作ってみんなに振る舞います。一番の人気はやはりイタリアのピザで、20分待ちという状態。食堂の隣に専用の釜を用意するという気合の入りよう。

各国の言語で「ありがとう」というのが慣例です。そう、UWCではいろんな言語をちょっとだけかじっておくととても便利なのだ。

 

ディナー

なんとドレスコードがあります。みんなスーツやドレスに着替え、2列で行進しながら食堂に入るという仰々しさ。ワイングラスにそれっぽい色のジュースを注がれます。そしてピアノ、ギター、ドラムからなるバンドがBGMを奏で、食べ終えた人が自由に踊ります。

こういうフォーマルな食事に慣れていない僕はとりあえず外で友達とたむろして写真とか撮ってました。

 

Music Festival

ヨーロッパ各国の音楽を生徒が披露します。これは生徒の出身は関係なくて、アジア人でもアフリカ人でも自由に練習に参加して演技できます。ピアソンでは伝統的にウクライナダンスをどのRegional Dayでも踊ります。

 

余興

ピアソンの行事あるあるとして、プログラムが終了しても行事は終わりません。どこか空いてる場所を見つけては音楽を流して踊るのが普通です。

この日は何と駐車場に置いてあるコンテナの中でミラーボールを回して踊り狂うという事態に。汗だくになり10時半にようやく終了。

 

とまあ長い一日でした。次回のLatinoでは何かの演技に出てみたいなあ。

 

それではまた